『ケロロ軍曹』第213話「桃華 明日を取り戻せ!であります」
『ケロロ軍曹』第213話「桃華 明日を取り戻せ!であります」(5月24日放送)が良質のジュヴナイルSFだった。
内容は:
完成を翌日に控えた、西澤グループのオカルト・ハイランド。桃華は冬樹を招待し、その日の準備に余念がない。
ところが当日、桃華が目を覚ますと、オカルト・ハイランドは未完成。そして桃華は前日と同じ一日を繰り返すが、そのことに気付いているのは彼女ただ一人だった…。
同じ一日の繰り返し、という仕掛けは、SFとして目新しいものではない。
しかし、サブキャラクターの桃華をメインに据え、彼女が冬樹に抱いている恋心と、幸福な日常の中に潜む不安を、その繰り返しからの脱出の糸口に持ってくる手際が鮮やかで、気持ちいい。
彼女だけが今日の繰り返しの事実を知っているというディック的恐怖が、きちんと描かれてる点もマル。
明日に漠然とした不安を感じ、今日に立ち止まる桃華の姿は、思春期の少年少女そのもの。そして明日に向かって一歩踏み出し、成長を受け入れる桃華は、ジュヴナイルの主人公の王道だ。
この場合、未知の明日を強引に引き込んだってところが、桃華らしくていい。
作品の世界観を外さずに、『ケロロ軍曹』の枠内で描ききってくれたところにも好感。
と、ここまで書いて、この回は桃華一人称の『ビューティフル・ドリーマー』だったんだと気付いた。
その、テーマの扱い方がね。
脚本は竹内利光。
調べてみても、『アニ横』でぶっとんだ回を担当していたのが目立ったくらいで、SFっぽい脚本を書いてきた様子はない。
今後の活躍に期待したい。
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